船釣りをするようになって、殺生すること、命をいただくことに敏感になった。いただく命は無駄なく味わいたい。
先日、片瀬江ノ島港から出ている渚丸のウルトラ五目船で良型のオニカサゴを釣り上げることに成功した。今回試したオニカサゴの食べかたをメモメモ。
まずはオニカサゴを釣りあげる。スーパーじゃ、なかなか手に入らない魚だろう…。今回、釣れたオニカサゴは1キロオーバーの良型だった、ヒャッホー。嬉しい。
帰宅後、何はともあれ、まずは毒バリをカットする。ニッパーかキッチンバサミでカット。毒バリの位置は以下の記事を参考に。
トゲに触れないように、こうしてバス持ちをするのだけど、歯もかなりザラザラしており、親指がボロボロになる…。船上でも魚は暴れる。フィッシュグリップがあったほうが良さそうだ。
トゲを取りのぞいた後に、背びれ、胸びれ、尾びれをカットする。これらは干物ネットで乾燥させ、ひれ酒に使う。
頭を落として、3枚おろしに。内臓(胃袋と肝)も頭もアラも捨てないで!
まずは肝と胃袋から。肝は茹でるだけ。茹でた後に一口サイズにカット。胃袋は塩もみしてぬめりをとったものを湯がく。こっちは細切りに。茹でるお湯には少量の酒を足してある。ネギとポン酢で食べると絶品!
身はモチモチしている。弾力があって、血の気もなく、臭みは皆無。
皮目を湯引きにして食べてみた。試し食いするとやはりモチモチ感が強い。噛みごたえがあるので、薄めにカットしたのだけど、上の写真の厚みでも歯ごたえ、食感に対してぶ厚くカットし過ぎた感じだった。この魚は薄造りにして食べるほうが良さそうだ。
それと湯引きにすると皮がぎゅっと縮む。縮む方向に対して垂直に切れ目を入れてから、湯引きなり、炙りなりをしたほうが良さそうだ。上の写真の黄色線。
そう思い、もう半身は薄造りに。ネギとポン酢で食べたけど、クセもなく甘みもあってかなりの美味。もっと薄く切っても良いかもしれない。
頭を兜割する。小出刃包丁で割ったのだけど、かなり苦戦した。大出刃でやるほうが吉かな。
しっかり塩をして、皮目からじっくり焼き上げる。焼くとより一層「オニ感」が増す、オニカサゴ 。
カマ焼きは、お肉のような弾力があって、旨味も十分。とてもうまい。
骨の髄までいただく。焼き魚の骨は出汁をとるためにとっておく。
塩焼きした魚の残りアラや、干物にした魚の残りアラでスープをとると嫌味なく美味しい仕上がりになることが多い。特に赤い魚は良い出汁が出る。
出汁は数種類を組み合わせたほうが美味しくなる。というわけで、オニカサゴのアラに加えて、煮干しと羅臼昆布を少し足している。煮出したら、スープをザルで濾して、長ネギや豆腐などの具材を入れて、味噌をとく。完成。
見た目は何の変哲も無い豆腐とネギの味噌汁だけど、上品なうまみが美味しい。
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